● ペンツールで計算高く描く ●
Vol.3-1



●ノードとハンドルの関係に慣れる

【図01】

今回はペンツールを使ってイラストを描いてみます。Expressionの醍醐味はブラシツールで一気に描くことかも知れませんが、ペンツールをマスターすることで描き方のコツのようなものが理解しやすくなります。

まず【図01】のような任意の楕円を2つ配置し、その上に新規レイヤーを作成して楕円をトレースするようにS字型のカーブを作成します。始めて描く方は【図04】〜【図08】の部分を先にお読み下さい。

【図02】

S字型のカーブを作成したら、左側のカーブを楕円の内側に巻き込むように修正します。続けて、最初に描いたS字と逆方向のS字(【図02】の下の緑色の線)を描きます。実はExpressionなどのDrawソフトのベジェ曲線のマスターは綺麗なS字が描けるかが分岐点となります。ただし、そんなに難しい処理てせはないので数回の練習で誰でも綺麗なS字カーブを描けるようになります。

※図では独立したバスを識別しやすいように色を変更していますが、実際の作業ではその必要はありません。

【図03】

2つのカーブを描いたところで【図03】のように尾ひれに該当する部分のカーブを微修正させます。決まりはありませんが、なんとなく金魚の尾ひれを連想してみてください。次に唇と目を描きます。

※唇の部分の滴形の作成方法については【図09】〜【図12】を参照してください。



●ペンツールによる描画のコツ


【図04】

パスには必ずノードとハンドルが付いています。そのノードの位置を変更したり、ハンドルを移動させることでパスのカーブは大きく変化します。
【図05】

【図04】は3つのノードで構成されたパスです。このうち左側のノードのハンドルだけを下に回転移動させたものが【図05】です。
【図06】

【図05】に続けて右側のノードのハンドルだけを上に回転移動させた状態を示したものが【図06】です。慣れないうちは簡単な構造のパスを作成して練習してみるとよいでしょう。


【図07】

作例のようなS字カーブを作成する場合、【図07】のように順番に下絵となる楕円の垂直・水平の対角線上にノードを作成するような気持ちで描き進めましょう。この時ハンドルは必要以上に大きく伸ばさないほうが後処理が楽です。パスはハンドル調整でいつでも自由に調整できるからです。神経はノードの作成だけに集中させましょう。

※必ずしもこの方向の通に描かなくてはいけないと言うことではありません。

※パスの構造については連載第一回目の【図04】を参照してください。
【図08】

ノードを作成した段階のパスはぎこちない状態となっているはずです。しかし、【図08】の緑色の線のようにハンドルをほんの少し調整することで綺麗なカーブのパスに変更させることが出来ます。なお、ハンドルを調整させる時にShiftキーを併用するとハンドルの動きは垂直・水平など、45度きざみの位置にしか移動しなくなるので、上手に活用すると少しの労力で本当に綺麗なカーブを描くことが出来るようになります。

※もし、どうしてもハンドル操作がうまく出来ないと言う場合は、パスに変換した円のノードやハンドルを調整することで変化する形の感覚を掴んでみましょう。その場合、円の複製を別のレイヤーに配置してガイドとし、変形させる円は塗りは無しの線だけの状態にすると良いでしょう。



●滴形の描き方


【図09】

滴形の作成のベースは円ですが、【図09】のようにノードが2つで構成されている円が理想的です。ペンツールで一周させるように描けば出来上がりますが、慣れないうちは通常の円をパスに変換してからノードを間引きするとよいでしょう。

【図10】

ノード2つで構成されている円を描いたら、滴の元となる鋭角な部分を作成します。まず該当部分のノードから出ているハンドルのどちらかをAltキー(※)を併用してドラッグ移動させます。こうすると通常は反対側も連動する動きが選択したハンドルだけとなります。

※Macintoshの場合はOptionキー

【図11】

一度Altキーを併用してハンドルを調整してしまえば反対側のハンドルは通常処理のようにAltキーを併用しなくても独立して角度や位置を調整できるようになりますので、好みの状態になるように移動調整します。

【図12】

作図も【図11】の状態になれば完成したのも同様です。あとは【図12】のようにハンドルの片方をパスの内側に移動させれば唇になります。必要に応じてこの段階でノードを追加したり、滴の先端となる丸い部分のハンドルを調整してみましょう。



●骨格となるパスの描画

【図13】

【図03】の状態が得られたらガイドとしていた楕円を削除してしまいます。もちろん一時的にレイヤー表示をオフにして、必要に応じて再表示してもよいでしょう。

【図14】

【図03】の状態はもっとも基本的な骨格部分ですので、あとの背ビレや腹ヒレに該当するイメージをパスだけで表現させます。ちょうど髪の毛が風になびくような感じを想像して描いてみてください。

【図15】

作例では最終的に【図03】の状態に6本のパスを追加した状態となりました。数に意味はなく、あくまでも全体の中でのイメージです。なお、初めのうちは後々の修正が楽になるようにパスごとにレイヤーを分けておくとよいでしょう。




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