● スケッチをトレースしてみる ●
Vol.7-1



●ブラシツールを鉛筆のように使う

【図01】

今回は七五三の千歳飴に描かれている鶴と亀を描いてみることにします。なお今回は今までとは異なり、スケッチから描き込む練習をしてみます。利用するのはペンツールではなくてブラシツールです。薄目の色を指定し、スケルタルストロークではない通常の線を3ピクセル程度に設定して描き始めます。



【図02】

あまり難しく考えずに気軽に悪戯書きをするような気持ちで描いてみましょう。もし手近に参考になる写真などがあれば、それぞれのパーツごとにポイントを掴んで参考にしてみましょう。

【図03】

もし納得がいかない仕上がりとなってしまう場合でもデータを破棄せずに、一度描いた下絵のレイヤーをロックし、新規レイヤーをその上に作成して別の色に設定したブラシで下絵をなぞるようにして描き直すと意外と気に入った線を描くことが出来ます。
【図04】

下絵としての描き込みなので、ここでの処理はあまりヒツコクしないようにしましょう。あまりヒツコク描いてしまうと下絵としての意味が無くなってしまいます。心持ちとしては下絵というよりはアタリの位置を設計するぐらいの気持ちで描くと良いかもしれません。
【図05】

取りあえず完成した下絵の線を全て選択して、任意の癖のあるスケルタルストロークを指定するだけでも味のあるイメージになります。もしこれをそのまま完成イメージとするような手法をとりたい場合は、描き込みの線を極端に少なくすると良いでしょう。
【図06】

図はデフォルトのスケルタルストロークの中から【基本⇒S06】を白色で再指定し、背景にデフォルトグラデーションの【ワイルド】を円形指定で指定しただけのイメージです。このように既成概念にとらわれずに色々な可能性を遊んでみましょう。





●トレースは効率的に

【図07】

トレースを行うときはブラシツールよりもペンツールのほうが後々の修正が楽なので効率的です。オブジェの微修正はノードの数が少ないほど簡単だからです。なお、はじめの段階では出来るだけ簡略化した線でトレースを行うとよいでしょう。Expressionで下絵をトレースする場合、できるだけスケルタルストロークを利用出来そうな場所は積極的に活用しましょう。なお、最初のトレースが完成したら【図08】のように下絵を破棄するか、表示をオフにします。

【図08】

鶴の羽根の部分は慣れてきたらペンツールではじめから描いてしまったほうが簡単かもしれませんが、もし慣れていない場合は、【図09】のように楕円を調整したスケルタルストロークを作成してS字カーブなどへストロークを指定し、それをオブジェクトメニューの【分解】にてオブジェクトに変換する方法が便利です。ただし、ストレートに分解してしまうと【図09】の下の図のようにノードの数が多すぎて修正出来る状態ではなくなってしまいます。



【図09】

スケルタルストロークを活用したオブジェクトの作成方法手順
【図10】

スケルタルストロークを分解してできるノードの塊のようなオブジェクトを修正しやすい状態に変換するためにはオブジェクトの内側に任意の円などを作成し、両方を選択してからオブジェクトメニューの【パス演算⇒結合】を実行するとノードの数が激減して修正しやすい状態となります。【図10】の下のオブジェクトはノードの数を減らしてから更にツールメニューのノード削除を実行して微修正を行ったものです。


【図11】

ブレンド機能より羽根を作成するために、微修正を行った羽根のオブジェクトの複製を作成し、縮小、回転を実行して図のように仮の配置を行います。配置は後で微修正しますので大凡の位置を確保できればよいでしょう。なお、鶴の胴体の位置を判別出来るように透明度を調整し、新規レイヤー上で調整すると後で行う微修正が少なくて済みます。また、縮小した方のオブジェクトと元のオブジェクト間でカラーリングを調整しておきます。

※作例では行っていませんが、2つのオブジェクトの形状を変更すると仕上がりをより自然に演出することが出来ます。
【図12】

2つのオブジェクトを選択し、オブジェクトメニューの【パスをブレンド】を【線形補完、ステップ数3】で実行して【図12】の状態を得ます。

なお、Expressionではスケルタルストロークを指定したオブジェクト間でのブレンドも有効ですが、その場合、スケルタルストロークは上の位置にあるオブジェクトのストロークのみが影響してしまいます。しかし、カラーリングについては両者の色のブレンド結果を忠実に再現してくれますので、スケルタルストロークを指定する前にブレンド処理を行うとよいでしょう。
【図13】

ブレンド結果を微修正した羽根の完成イメージです。これをグループ化させ、複製に対して回転、縮小処理を行ってから反対側の羽根としても流用します。
【図14】

羽根をレイアウトした状態です。なお、このように初期の段階でそれぞれのパーツをレイヤー分けしておくと後の処理が楽です。
【図15】

羽根を完成させたところで、くちばしと足、亀の髭のような毛をスケルタルストロークで演出します。



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